明治元年(1868年)に初代・宗太郎によって創業された、吉野町上市に位置する老舗酒蔵。吉野熊野国立公園の入口、「一目千本」で知られる吉野山の麓にある。清酒「八咫烏」の醸造元として知られ、その名は神武天皇東征の際に吉野の山中で三本足の烏が道案内をしたという日本神話に由来する。奥吉野の森林水を使用し、鉄分が少なく適度なミネラルバランスを持つ水質で、やわらかく調和のとれた酒質を追求。「日本の伝統的な酒造りの技術を継承し、美味しい酒を通じて温かい人間関係の形成に貢献する」ことを理念としている。蔵の直売店では試飲も可能で、9:00-17:00の営業(日曜・祝日・年末年始休み)。吉野の桜と共に多くの観光客が訪れる。
明治元年(1868年)、初代・宗太郎によって奈良県吉野郡吉野町上市に創業された北岡本店は、150年以上にわたって酒造りを続けてきた老舗酒蔵である。創業当時、宗太郎は酒造業のほか醤油や油の製造など様々な事業を手がけていたが、7代目当主によって清酒製造に事業を集約し、現在の基盤が築かれた。銘柄「八咫烏」は大正時代に商標として採用され、神武天皇東征の際の神話に登場する三本足の烏が名前の由来となっている。この神話は吉野と深い関わりがあることから、宗太郎がこの名前を選んだとされる。江戸時代初期には、吉野は林業従事者の宿場町として、また大和と伊勢・熊野を結ぶ交通の要衝として栄えており、北岡本店もこの地域の発展と共に歩んできた。現在も奥吉野の森林水を使用し、伝統的な酒造りの技術を継承しながら、地域に根ざした酒造りを続けている。
北岡本店では蔵の直売店にて酒の試飲を楽しむことができる。営業時間は9:00から17:00まで(日曜・祝日・年末年始は休業)。吉野山の「一目千本」で知られる桜の名所に近いため、特に春の桜シーズンには多くの観光客が酒蔵を訪れる。試飲では「八咫烏」の各種銘柄を味わうことができ、吉野の自然に育まれた酒の味わいを直接体験できる。吉野熊野国立公園の入口という立地を活かし、自然観光と合わせて楽しむことができる酒蔵として親しまれている。
北岡本店の「八咫烏」は、奥吉野の清らかな森林水と伝統的な酒造技術によって醸された品質の高い日本酒として評価されている。特に大吟醸雫酒は、丁寧な手作業によって一滴一滴搾り取られる贅沢な製法で造られ、その繊細で上品な味わいは多くの日本酒愛好家から高く評価されている。吉野という歴史と自然に恵まれた土地で造られる「八咫烏」は、地域の文化と伝統を体現した銘酒として、長年にわたって愛され続けている。
〒639-3111 奈良県吉野郡吉野町上市61
Phone: 0746-32-2777