文化元年(1804年)創業、220年以上の歴史を誇る老舗酒蔵。旧美作勝山藩の御用達蔵として「御前酒」の銘を拝受し、藩主献上酒を醸造していた由緒ある蔵元。2023年に全国で唯一「全量雄町仕込み」を実現した革新的な蔵として注目される。室町時代の古典製法「菩提酛」を昭和60年に全国に先駆けて復活させ、現在も岡山県産雄町米と菩提酛の組み合わせによる独自の酒造りを追求。歴史ある町並み保存地区・勝山に位置し、登録有形文化財の蔵建築と併設レストラン「NISHIKURA」で地域文化の発信拠点としても機能している。
文化元年(1804年)、美作勝山藩の城下町として栄えた勝山にて創業。当初は藩主・三浦氏への献上酒として「御前酒」の銘を拝受し、一般向けには「萬悦」の銘柄で親しまれた。1859年、岡山で酒米「雄町」の栽培が始まったこの年から、雄町との深い関わりを持つ。明治維新後も地域の酒蔵として発展を続け、昭和60年に故原田巧杜氏が室町時代の古典製法「菩提酛」を全国に先駆けて復活させる快挙を成し遂げる。平成25年には蔵の主要建物が登録有形文化財に指定。令和5年(2023年)には「岡山の蔵が雄町を使わずして誰が使うのか」という信念のもと、全国初となる全量雄町仕込みの蔵へと転換。現在は辻麻衣子氏が岡山県初の女性杜氏として、伝統の菩提酛と雄町米による独自の酒造りを指揮している。長年にわたり地域に根ざした酒造りを続け、伝統的な技術と現代的な品質管理を融合させることで、高品質な日本酒を提供し続けています。地域の食文化と共に発展し、多くの人々に愛される酒蔵として、その歴史を刻み続けています。
江戸時代の面影を残す勝山町並み保存地区に位置し、登録有形文化財である歴史的建造物で酒造見学を実施。併設の複合施設「NISHIKURA」では、1階の「SUMIYA」(直売店)で御前酒全商品の購入が可能で、2階レストラン「Nishikura」では地元食材と御前酒のペアリングを楽しめる。見学では菩提酛の伝統製法や全量雄町仕込みの特徴を詳しく学べ、試飲では雄町米の特性を活かした様々なタイプの御前酒を味わえる。営業時間は10:00-17:00、事前予約推奨。JR津山線中国勝山駅から徒歩10分、中国自動車道落合ICから車で約20分。歴史的町並み散策と合わせた文化的観光体験が楽しめる。
昭和60年に古典製法「菩提酛」を全国で初めて復活させた功績により、日本酒業界で高く評価される。2023年には全国唯一の「全量雄町仕込み蔵」となる革新的な取り組みで注目を集める。平成25年に蔵の主要建物が国の登録有形文化財に指定され、歴史的価値も認められている。全国新酒鑑評会や関西酒類コンクール等で継続的に入賞を果たし、特に菩提酛シリーズは独特の醸造技術が評価されている。雄町米を使った酒質の高さは県内外の日本酒愛好家から絶大な支持を得ており、「雄町の聖地」としてのブランド力を確立。地域文化の保存・発信拠点としても評価され、勝山町並み保存の象徴的存在として地域振興に大きく貢献している。
〒717-0013 岡山県真庭市勝山116
Phone: 0867-44-3155