嘉永元年(1848年)創業の深谷市の老舗酒蔵。渋沢栄一と同じ時代を歩み、「忠恕の心」(まごころと思いやりの精神)を大切に酒造りを行う。代表銘柄「東白菊」は、関東の「東」、清酒の純粋さを表す「白」、日本酒の芳香を表す「菊」を組み合わせた名前。大正時代のレンガ造りの煙突が埼玉県景観重要建造物に指定されるなど、歴史的価値のある建造物を保有。
嘉永元年(1848年)、越後から移住した創業者が中山道六十九次の第九番目の宿場町である深谷で酒造りを始めた。この地は本陣1軒、脇本陣4軒、旅籠80軒以上を数える大規模な宿場で、荒川と利根川の間に位置し、両河川の伏流水という良質な水源に恵まれていた。近代日本経済の父・渋沢栄一の生誕地でもあり、彼が提唱した「忠恕の心」を経営理念に掲げている。平成22年(2010年)4月には店舗・工場を改築し、より多くの世代に日本酒の魅力を伝える環境を整備。平成25年(2013年)3月15日、大正時代のレンガ造りの煙突が埼玉県知事より「景観重要建造物」に指定された。現在は6代目の藤橋彰氏が代表を務め、伝統を守りながら無濾過生原酒など濃厚な旨みを持つ日本酒や、渋沢栄一ラベルの純米吟醸など地域性を活かした商品も製造している。