1921年(大正10年)創業、山口県萩市にある「東洋美人」で知られる酒蔵。創業のきっかけは米問屋であった澄川家が親戚筋の酒蔵を引き受けたことだった。現在は4代目社長澄川宜史氏が経営し、清酒『十四代』の蔵元で修行を積んだ経験を活かした酒造りを行っている。2013年7月の山口県集中豪雨で2mを超える濁流により蔵が甚大な被害を受けたが、1500人以上の支援により復旧し、同年に酒造りを再開。「稲をくぐり抜けた水」をコンセプトに、繊細ながら躍動感のある旨み、研ぎ澄まされた口当たりが特徴の日本酒を醸造している。
1921年(大正10年)、米問屋を営んでいた澄川家が親戚筋の酒蔵を引き受けることで創業。初代当主が亡き妻を思って命名した「東洋美人」という銘柄一本で100年以上の歴史を刻んできた。戦後復興期を経て、現在の4代目社長澄川宜史氏は十四代の蔵元での修行経験を持ち、伝統的な酒造りを重視している。2013年7月28日の山口県集中豪雨では蔵の前を流れる川が氾濫し、2mを超える濁流により機械が水没、約1万本の出荷待ち商品を失う甚大な被害を受けた。しかし全国の日本酒愛好家や災害ボランティアら1500人以上の支援により復旧作業が進み、同年に例年より2か月遅れで酒造りを再開。この災害を乗り越えた経験が、より一層の品質向上への原動力となっている。
萩市の歴史的な町並みの中に位置する酒蔵だが、現在一般見学は行っていない。ただし、萩市内の酒販店や道の駅で東洋美人を購入することができ、萩の歴史散策と合わせて地酒を楽しむことができる。萩市は世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産でもあり、松陰神社や萩城下町の散策と合わせて山口県の歴史と文化、そして地酒を堪能できる。
JAL国際線ファーストクラスラウンジで提供されるほか、2010年FIFA南アフリカワールドカップの公式酒に選定されるなど国際的な評価も高い。JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」でも採用されている。全国新酒鑑評会での入賞歴も多数あり、特に純米大吟醸は繊細で上品な味わいが高く評価されている。2013年の豪雨災害から復活した感動的なストーリーも含めて、全国の日本酒愛好家から深い愛情を寄せられている銘柄として知られている。
〒758-0501 山口県萩市大字中小川611