1948年創業、山口県岩国市にある獺祭で世界的に有名な酒造会社。1984年に三代目桜井博志氏が34歳で社長就任時、日本酒不況で危機的状況だったが、1990年に純米大吟醸「獺祭」を発売し、V字回復を遂げた。2000年から杜氏制度を廃止し、データ分析と数値管理による革新的な酒造りを導入。全商品が精米歩合50%以下の純米大吟醸のみで、醸造アルコールや添加物を一切使用しない。2016年には年商100億円を突破し、2023年には174億円の売上を達成。2023年9月にはアメリカ・ニューヨーク州に新醸造所「DASSAI BLUE SAKE BREWERY」を開設し、国際展開を加速している。
1948年に設立された旭酒造は、1984年まで「旭富士」という銘柄で地方の小さな酒蔵として営業していた。しかし1984年の三代目社長桜井博志氏就任時は焼酎ブームの影響で売上が激減、地元問屋からも取引を断られる厳しい状況だった。1990年に精米歩合50%・40%の「獺祭」を、1992年には23%まで磨いた「獺祭磨き二割三分」を発売。「獺祭」の名は蔵のある地名「獺越」と正岡子規の雅号「獺祭書屋主人」に由来する。2000年から伝統的な杜氏制度を廃し、データに基づく科学的酒造りを確立。現在は240名中170名が製造スタッフ、平均年齢28歳の若い職人集団が高品質な酒造りを支えている。2025年6月1日には社名を「株式会社獺祭」に変更し、さらなる飛躍を目指している。
岩国の本社蔵では一般見学は行っていないが、東京銀座の「獺祭ストア本店」では獺祭の全商品の試飲・購入が可能。また全国の百貨店やアンテナショップでも試飲会を定期的に開催している。山口県内では道の駅などで獺祭の限定商品が販売されることもあり、地元での特別な獺祭体験ができる。2023年にオープンしたニューヨーク州の醸造所では、将来的に見学ツアーの実施も検討されている。
2013年にオバマ大統領がプーチン大統領に贈呈したことで世界的に注目を集めた。全日空国際線ファーストクラス・ビジネスクラスでの採用、ミシュラン星付きレストランでの採用など、国際的な評価も高い。2020年には宇宙ステーション「きぼう」で熟成実験を行うなど、革新的な取り組みでも話題を集めている。世界50カ国以上に輸出され、特にアメリカでは日本酒輸出額トップを維持。数々の品評会で金賞を受賞し、日本酒の国際化に大きく貢献している。
〒742-0422 山口県岩国市周東町獺越2167-4
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