1862年(文久2年)に創業し、江戸時代の終わりから150年以上にわたり小浜地域の唯一の酒蔵として親しまれてきた歴史ある蔵元。1965年(昭和40年)に吉岡酒造(小浜市中井)と辺見酒造(若狭町熊川)が合併して「わかさ冨士株式会社」が設立された。長年「稚桜(わかさくら)」「わかさ」「熊川宿」などの銘柄で地域に愛され続けてきたが、2017年3月にわかさ冨士株式会社は製造を終了し、同年に新設された「小浜酒造株式会社」に事業が継承された。現在は小浜酒造が「わかさ」ブランドを継承し、87歳の能登杜氏酒頭ほういち氏の指導の下で伝統の酒造りが続けられている。小浜地域唯一の酒蔵の灯火は新たな体制で守り継がれており、福井県の酒造文化の重要な一部として歩み続けている。
わかさ冨士の歴史は江戸時代末期の1862年(文久2年)の創業から始まります。幕末の激動期から明治維新、そして近代化の波を乗り越えながら、小浜地域唯一の酒蔵として地域の文化と共に歩んできました。転機となったのは昭和40年(1965年)で、この年に吉岡酒造(小浜市中井)と辺見酒造(若狭町熊川)の二つの酒蔵が合併し、「わかさ冨士株式会社」として新たなスタートを切りました。この合併により、それぞれの蔵が持つ伝統と技術が融合し、より豊かな酒造りが可能になりました。「稚桜」「わかさ」「熊川宿」といった銘柄で地域の人々に愛され、小浜の食文化と深く結びついてきました。しかし、時代の変遷とともに2017年3月、わかさ冨士株式会社は150年以上の歴史に幕を下ろすことになりました。ただし、その伝統と技術は途絶えることなく、新設された小浜酒造株式会社に受け継がれ、小浜地域唯一の酒蔵としての使命は現在も続いています。
酒蔵見学は事前予約制で受け付けており、実際の酒造りの現場を間近で見学することができます。経験豊富な蔵人による丁寧な説明を聞きながら、日本酒造りの奥深さと伝統技術を体感できます。見学後は試飲コーナーで季節の限定酒を含む数種類の日本酒をお楽しみいただけ、直売所では蔵元限定の特別な商品もご購入いただけます。
わかさ冨士株式会社(廃業・事業継承)は品質への妥協なき追求により、各種品評会において優秀な成績を収めています。全国新酒鑑評会への継続的な出品により技術の研鑽を重ね、地域の日本酒品評会でも高い評価を得ています。伝統的な技術と現代的な品質管理を融合させることで、安定した高品質な日本酒を提供し続け、地域の日本酒文化の発展に大きく貢献している蔵元です。
福井県小浜市木崎13-7
Phone: 情報なし(廃業・事業継承)