300年以上の歴史を持つ酒蔵で、純米酒のみを醸造。木製道具を使った伝統的な酒造りを守り続け、木樽での短期熟成により独特の風味と個性を持つ酒を生み出している。
樽平酒造は1695年(元禄年間)創業、300年以上の歴史を誇る山形県川西町の酒蔵です。上杉藩から苗字帯刀を許された由緒ある家柄で、現在12代目井上恭七が伝統を継承しています。1997年に主屋が国の登録有形文化財に指定され、江戸時代の風情を残す建物で酒造りを続けています。日本文化を大切にする理念から純米酒のみを醸造し、全ての米を精米歩合40%以上まで磨き上げています。木製の甑、麹蓋、暖気樽など伝統的な木製道具を使用し、木樽での短期熟成により独特の風味を生み出す手法は、漫画「美味しんぼ」やNHKドラマ「蔵」でも紹介されました。「住吉」は辛口で杉樽熟成、「樽平」は濃醇な旨味、「雪むかえ」は新鮮な味わいと、それぞれ個性的な酒を醸しています。1928年には日本初の蔵元直営居酒屋を東京に開店するなど、革新的な取り組みも行ってきました。併設の掬粋巧芸館には国・県指定文化財を含む約600点の陶磁器を展示し、酒文化と芸術の融合を図っています。