嘉永5年(1852年)創業の新政酒造株式会社は、秋田市大町に位置し、協会6号酵母発祥の蔵として歴史的に重要な役割を果たす。8代目佐藤祐輔氏が東京大学卒業後ジャーナリストを経て2007年に蔵に戻り、抜本的改革を実施。2012年から無添加純米造りに転換し、協会6号酵母と秋田県産米のみを使用、生酛系酒母のみで醸造。木桶仕込みを復活させ、25ヘクタールの無農薬栽培田も展開する。日本酒業界に大きな影響を与える革新的蔵元として注目される。
嘉永5年(1852年)、佐藤卯兵衛が初代として創業。当初は地元で「卯兵衛の酒」として親しまれ、明治新政府の政策標語「新政厚徳」にちなんで「新政」と命名。5代目卯三郎(佐藤卯三郎)は大阪高等工業学校(現大阪大学工学部)卒業の技術者で、ニッカウィスキー創始者竹鶴政孝と「西の竹鶴、東の卯兵衛」と並び称された。1927年・1928年の全国品評会で3位入賞を果たし、1930年に当蔵から協会6号酵母が分離採取され、1935年に頒布開始。1940年・1941年には全国首位を連覇。一時期の経営危機を経て、2007年に8代目佐藤祐輔氏が東京大学文学部卒業後、編集者・記者を経て蔵に戻り抜本的改革を実施。2012年から完全無添加純米造りに転換し、伝統技術と現代的品質管理を融合させた革新的酒造りを展開。
現在一般向けの酒蔵見学は実施していない。協会6号酵母発祥の蔵として歴史的価値が高く、江戸時代から続く6つの土蔵を現在も醸造に使用している。四軒横丁・大町界隈は旭川沿いの歴史ある酒造り地区で、散策しながら外観を見学することは可能。8代目佐藤祐輔氏による革新的な酒造りは業界から注目を集めており、秋田の酒文化を代表する蔵元として認知されている。入手困難なプレミアム日本酒として知られる「新政」は、特約店での販売のみで蔵元直売は行っていない。秋田市の酒文化・美酒王国秋田を象徴する存在として、酒愛好家の聖地的存在となっている。
新政酒造株式会社は品質への妥協なき追求により、各種品評会において優秀な成績を収めています。全国新酒鑑評会への継続的な出品により技術の研鑽を重ね、地域の日本酒品評会でも高い評価を得ています。伝統的な技術と現代的な品質管理を融合させることで、安定した高品質な日本酒を提供し続け、地域の日本酒文化の発展に大きく貢献している蔵元です。
〒010-0921 秋田県秋田市大町6丁目2番35号